2026年シーズンが開幕したJプロツアー(JPT)。
鹿児島での2連戦(鹿屋・志布志)は、1秒を争うハイレベルな戦いとなりました。
プロレースの結果を左右するのは選手の脚力はもちろんですが、それを支える「機材」の存在も無視できません。今回は、上位入賞者たちの最新機材と所属チームを徹底調査しました。
「今、本当に進むバイクはどれなのか?」
現場のリアルな視点で分析します。
ロードレース(鹿屋・肝付)上位勢のバイク分析
全長149.5kmの長丁場を制したトップ5の機材とチームです。
| 順位 | 選手名 | 所属チーム | 使用バイク(ブランド) |
| 1位 | 草場 啓吾 | KINAN Racing Team | ORBEA (オルベア) |
| 2位 | 岡本 勝哉 | HPCJC | BRIDGESTONE (RP9) |
| 3位 | 孫崎 大樹 | ヴィクトワール広島 | ARGON18 (SUM Pro) |
| 4位 | 大河内 将泰 | CIEL BLEU KANOYA | RIDLEY (Noah Fast) |
| 5位 | 渡辺 一気 | 京都産業大学 U23 | SPECIALIZED (Tarmac SL8) |
優勝した草場選手が駆るORBEAは、2026年からキナンが採用した注目のスペインブランド。
集団の中でもその洗練されたシルエットは際立っていました。
また、2位の岡本選手が使うBRIDGESTONE RP9は、トラック競技の知見が詰まった「日本最速」の一台。安定感のある走りが印象的でした。
クリテリウム(志布志)上位勢のバイク分析
1周2.9kmのハイスピードバトル。コーナー立ち上がりの加速性能が勝負を決めたクリテリウムの結果です。
| 順位 | 選手名 | 所属チーム | 使用バイク(ブランド) |
| 1位 | 孫崎 大樹 | ヴィクトワール広島 | ARGON18 (SUM Pro) |
| 2位 | 岡本 勝哉 | HPCJC | BRIDGESTONE (RP9) |
| 3位 | 草場 啓吾 | KINAN Racing Team | ORBEA (Orca Aero) |
| 4位 | 黒枝 士揮 | Sparkle Oita Racing Team | WINSPACE (T1550) |
| 5位 | 松本 一成 | TeamCyclersSNEL | BRIDGESTONE (RP9) |
優勝したヴィクトワール広島の孫崎選手のARGON18は、チーム全体の組織的なスプリントを完璧に支えていました。
いちどんが所属するTeamCyclersSNELでも、愛車BRIDGESTONE RP9の「踏んだ瞬間に反応する剛性」には何度も助けられ、5位入賞を果たすことができました。
4位のSparkle Oita・黒枝選手が使うWINSPACEなど、新興ブランドの躍進も目立ちます。
プロの現場で見えた「2026年のトレンド」
今回の2日間、集団の中で走りながら感じた最新機材の傾向をまとめます。
- 「オールラウンド・エアロ」の完成形 かつての「軽量バイク」か「エアロバイク」かという選択ではなく、上位チームのほとんどが「軽くて空力も良い」モデルに集約されています。
- ワイドタイヤと低圧化 多くの選手が28C以上のタイヤを選択。路面追従性を高め、後半まで脚を残すためのセッティングが主流になっています。
勝てる機材には理由がある!上位勢のバイクから学ぶ「3つの共通点」
プロが使うフレームをすぐに手に入れるのは難しいですが、上位勢を支える「自転車の作り込み」には、私たちが真似すべき勝利のエッセンスが詰まっています。
今回、実際に集団の中で走りながら分析した、勝つための明確な共通点を3つご紹介します。
1. 「剛性」と「快適性」の極めて高いバランス
かつての超軽量バイクは路面からの突き上げが激しく、レース後半に脚を削られる側面がありました。しかし、今回上位を独占した ORBEA Orca や BRIDGESTONE RP9 は、爆発的なスプリントを受け止める剛性がありながら、150km走っても疲労を最小限に抑える「しなやかさ」を兼ね備えています。
💡 一般ライダーへのヒント フレームを変えられなくても、バーテープを厚手のものに変えたり、カーボンハンドルを導入するだけで、この「プロに近い疲労軽減」は十分に体感可能です。
2. 「ミリ単位」で煮詰められた空力セッティング
上位勢のバイクを見ると、ただエアロフレームなだけでなく、ケーブルの完全内装や、体格に合わせた細身のハンドル選択など、「空気の壁をどう切り裂くか」に徹底的にこだわっています。
💡 一般ライダーへのヒント 実は、高価なフレームを買うよりも「身体にフィットしたエアロウェア」や「空力に優れたヘルメット」を導入する方が、コストパフォーマンス良くプロの巡航速度に近づけます。
3. 信頼が生む「攻めのコーナーリング」:運命を分けるタイヤの決断
志布志クリテリウムの最中、途中から雨が降り出し、路面が非常にスリッピー(滑りやすい)になる場面がありました。ロードレースは一度スタートすれば途中でタイヤ交換をすることはできません。
つまり、スタート前の空模様や路面状況を読み、「どのタイヤで行くか」「空気圧を何気圧に設定するか」というスタート前の決断が、そのままレースの命運を分けることになります。
特にウェットな路面では、タイヤのコンパウンド(ゴムの質)の良さはもちろん、路面を捉えるための絶妙な「空気圧の調整」が不可欠です。上位勢のバイクが雨の中でも果敢にコーナーを攻められるのは、機材のスペックを信じ切り、コンマ単位でセッティングを煮詰めているからこその「安心感」があるからです。
💡 一般ライダーへのヒント 「このタイヤなら雨でもコントロールできる」という信頼感こそが最大の武器。まずは自分の基準となるタイヤを決め、天候に合わせて空気圧を0.1気圧単位で調整する習慣をつけることが、機材の性能を100%引き出すプロへの第一歩です。
最後に:機材を支えるのは「身体のマネジメント」
イチドンも今回の初日のロードレースでは、フィニッシュ直前に足が攣る局面がありました。
しかし、2日目のクリテリウムでは激しい接戦の中、コンマ0.00秒の僅差5位でゴールに飛び込むことができました。
過酷なレースを最後まで支えてくれたのは、機材だけでなく「適切な補給」があったからです。
私が実戦で使っている[愛用の補給食]については、次回の記事で詳しくご紹介したいと思います。
お楽しみに!
